フィルターを設定する

ここでは、フィルターを設定する方法を説明します。例として「取引先」を取り上げていますが、基本的な操作の流れは「取引先責任者」や「リード」「ケース」およびカスタムオブジェクトなどの場合も同様です。フィルターは、例えば「取引先責任者」の「取引先」のように参照関係の項目であっても行うことができます。

RaySheetで取引先をフィルターする方法は、Excelでテーブルのデータをフィルターする場合と同じです。フィルターできる列のヘッダー(見出し)に、次のようにボタンが表示され、このボタンをクリックするとフィルターの条件を指定できます。

  • ここに表示される検索ボックスに、フィルターしたい値を入力してフィルターすることができます。
  • 数値、通貨、日付、日付時刻の検索ボックスはサポートされません。
  • 「ユーザー設定フィルタ・・・」をクリックすると、「ユーザー設定フィルター」画面が表示され、この画面を使ってフィルター設定が行えます。詳細は以降のフィルターの使い方を参照してください。

フィルターは基本デザイン画面の検索条件(RaySheetフィルター)でも設定できます。検索条件(RaySheetフィルター)とフィルター設定は連動します。

検索条件(RaySheetフィルター)を使用するには高度なデザイン画面で「検索条件(RaySheetフィルター)を表示する」をチェックする必要があります。

ドロップダウンリストの表示件数の設定

フィルターのドロップダウンリストに表示件数の上限を指定できます。以下の手順で設定します。

1.列の見出しを右クリックし、表示されるメニューから「列の設定…」をクリックする。 または、基本デザイン画面の「列」で、表示件数を変更したい列の歯車アイコンをクリックする。 2.「ドロップダウンリストの表示件数」の▲▼ボタンをクリックする、または数値を直接入力し、100単位で指定する。 データ型ごとの設定可能範囲は以下のとおりです。

  • テキスト、メール、主従関係、参照関係、電話、URLの場合
    • 指定可能範囲:100 ~ 2000
    • デフォルト値:100
  • 数値、通貨、日付、日付時間の場合
    • 指定可能範囲:100 ~ 10000
    • デフォルト値:2000

3.「OK」をクリックして「列の設定」画面を閉じる。

ドロップダウンリストの表示件数の設定は、ビューの読み込みパフォーマンスに影響を与える場合があります。特に大きい値を指定した状態でフィルターを設定した場合、ビューの読み込み時間が長くなる可能性が高くなるため、表示件数は必要最小限の値を指定することが推奨されます。

もし、大きい表示件数を設定した状態で、列フィルターのドロップダウンリストからフィルター条件を指定し、ビューの読み込みに時間がかかることに気づいた場合は、以下の回避策により読み込みを中止し、フィルター条件を指定する前の状態に戻すことができます。
操作を行う前に、高度なデザイン画面で「検索条件(RaySheetフィルター)を表示する」にチェックを入れる必要があります。

RaySheetPageLWCコンポーネントの場合:
1. 基本デザインを開き、フィルタータブにて、先ほど設定した列の「検索条件(RaySheetフィルター)」を削除する。
2. ブラウザーをリフレッシュする。
3. フィルターを設定する前の状態に戻っていることを確認する。
ドロップダウンリストの表示件数」に小さい値に変更することが推奨されます。

RaySheetPageAuraコンポーネント、どこでもView、RaySheetアプリケーションの場合:
1. ブラウザーをリフレッシュする。
2. 基本デザインを開き、フィルタータブにて、先ほど設定した列の「検索条件(RaySheetフィルター)」を削除する。
3. 再度ブラウザーをリフレッシュする。
4. フィルターを設定する前の状態に戻っていることを確認する。
ドロップダウンリストの表示件数」に小さい値に変更することが推奨されます。

フィルターの対象レコード

フィルターのドロップダウンリストに表示されている項目について説明します。

データ型がテキスト、メール、主従関係、参照関係、電話、URLの場合

フィルターのドロップダウンリストはビューのレコードすべてが対象です。例えば、82件のビューでページサイズを10にしていた場合、一覧には10レコードしか表示されませんが、フィルターのドロップダウンリストには82件表示されます。

フィルターのドロップダウンリストに表示される件数は、「ドロップダウンリストの表示件数」で指定した件数までです。対象レコードがこの上限を超える場合は、「一部のアイテムは表示されません」というメッセージが表示され、ドロップダウンリストに表示されていないレコードは(その他)となります。
※数値、通貨、日付、日付時刻の場合、(その他)は表示されません。

データ型が数値、通貨、日付、日付時間の場合

フィルターのドロップダウンリストに表示される項目は、以下の2つの値を合わせて、設定したドロップダウンリストの表示件数まで表示します。
1.現在ページに表示されているレコードのユニークな値
2.ビューの先頭から順番に取得した2000件レコードのユニークな値

「読込」ボタンをクリックするたびに次の2000件のレコードの新しいユニークな値をドロップダウンリストに追加します。例えば、10000件のビューでページサイズを1000にしていた場合、一覧には1000レコードしか表示されませんが、フィルターのドロップダウンリストには2000件が表示され、「読込」ボタンをクリックすると、さらに2000件の新しいユニークな値が追加されます。 ユニークな値の取得できる範囲は、RaySheetで表示されている先頭から最大1万件までです。レコード総数は1万件を超え、10001件目以降に新しいユニークな値は存在しても、ドロップダウンリストには表示されません。例えば、金額が1、2、3、4のレコードがそれぞれ5000件ずつ、合計20000件ある場合、「読込」ボタンを数回押すと、ドロップダウンリストには、先頭から表示される1万件のレコードからユニークな値である1と2の2件が表示されます。一方、その後ろの1万件のレコードからユニークな値である3と4は表示されません。 3と4を表示したい場合は、フィルター条件と並び替えを利用して、対象レコードを先頭10000件に表示させることを検討できます。

レコードに重複するデータが存在しない場合は、「ドロップダウンリストの表示件数」の件数を表示しますが、 レコードに重複するデータが多い場合は、「読込」ボタンをクリックしても、追加されるユニークな値は少ないか、追加されないことがあり、 結果として表示件数が「ドロップダウンリストの表示件数」より少なくなる場合があります。

「読込」ボタンはデータ型が数値、通貨、日付、日付時間のドロップダウンリストに表示されます。

以下の2点を同時に満たす場合に表示されます。
・フィルターのドロップダウンリストに表示される件数は、設定された「ドロップダウンリストの表示件数」に達していない。
・ユニークな値を取得したレコードの範囲が、先頭10000件に達していない。

以下のいずれかに満たす場合は表示されません。
・フィルターのドロップダウンリストに表示される件数は、設定された「ドロップダウンリストの表示件数」に達している。
・ユニークな値を取得したレコードの範囲が、先頭10000件に達している。
・すでにすべてのユニークな値を表示している。

フィルターの使い方

例として、「株式会社」という文字列を含む取引先だけを表示します。

  1. 取引先の「取引先名」タイトルにあるドロップダウンボタンをクリックする。
  2. 「ユーザー設定フィルター…」をクリックする。
  3. 「ユーザー設定フィルター」画面が表示されることを確認する。
  4. 「+フィルター条件」をクリックする
  5. 「次の値を含む」を選び、「株式会社」と入力する。
  6. 「OK」をクリックする。
  7. 画面に読み込まれているデータが「○○株式会社」や「株式会社○○」のみになっていることを確認する。

文字列フィルター

Salesforceのデータが文字列の場合、次の条件を使用できます。テキスト型、メール型、電話などが該当します。

  • 次の値を含む
  • 次の値を含まない
  • 次の値に等しい
  • 次の値に等しくない
  • 次の値で始まる
  • 次の値で終わる
  • 値が空白
  • 値が空白でない
  • 次のいずれかに等しい
  • 次のいずれかに等しくない

「値が空白」と「値が空白でない」以外は、複数の条件を指定できます。たとえば、取引先名に「日本」または「ジャパン」を含む会社を抽出するには、「次のいずれかに等しい」に「*日本*;*ジャパン*」を指定します。アスタリスク(*)は任意の文字列への一致を示し、疑問符(?)は任意の1文字への一致を示します。セミコロン(;)は「または」で条件の区切りを示します。アスタリスク(*)または疑問符(?)、セミコロン(;)自身でフィルターしたい時は、その前にチルダ(~)をつけることで、文字としてフィルターできます。

「次の値で始まる」と「次の値で終わる」に対して、「次の値で始まらない」「次の値で終わらない」条件を使うには、「次の値を含まない」に「株式会社*」や「*株式会社」を指定します。

Excelから複数のセルの値を条件にコピー&ペーストできます。複数のセルの値はペースト時に自動的にセミコロン区切りの文字列に変換されます。

数値フィルター

Salesforceのデータが金額や数値、パーセント型の場合、次の条件を使用できます。

  • 次の値に等しい
  • 次の値に等しくない
  • 次の値より大きいか等しい
  • 次の値より大きい
  • 次の値より小さいか等しい
  • 次の値より小さい
  • 値が空白
  • 値が空白でない

日付フィルター

Salesforceのデータが日付型や日付時刻型の場合、「ユーザー設定フィルター」ではより多くの条件を使用できます。たとえば「商談」の「完了予定日」や「リード」の「作成日」が日付型です。

RaySheetでは以下の日付条件を使用できます。

  • 次の値に等しい
  • 次の値に等しくない
  • 次の値より大きいか等しい
  • 次の値より大きい
  • 次の値より小さいか等しい
  • 次の値より小さい
  • 値が空白
  • 値が空白でない

日付条件には「昨日」や「今週」といった相対的な日付を比較対象に使用できます。これはSalesforceのビューで使用する検索条件に指定する相対日付値と同様です。「n」には任意の数値を指定できます。たとえば「過去 n 週間」は「過去3週間」のように指定できます。

  • 指定した日付
  • 昨日
  • 今日
  • 明日
  • 先週
  • 今週
  • 来週
  • 過去 n 週間
  • 翌 n 週間
  • n 週間前
  • 先月
  • 今月
  • 翌 n ヶ月
  • 過去 n ヶ月
  • n ヶ月前
  • 来月
  • 過去 90 日間
  • 90 日以内
  • 過去 n 日間
  • 翌 n 日間
  • n 日前
  • 前四半期
  • 当四半期
  • 翌四半期
  • 過去 n 四半期
  • 翌 n 四半期
  • n 四半期前
  • 昨年
  • 今年
  • 来年
  • n 年前
  • 過去 n 年間
  • 翌 n 年間
  • 前会計四半期
  • 当会計四半期
  • 翌会計四半期
  • 過去 n 会計四半期
  • 翌 n 会計四半期
  • n 会計四半期前
  • 前会計年度
  • 当会計年度
  • 翌会計年度
  • 過去 n 会計年度
  • 翌 n 会計年度
  • n 会計年度前

日付フィルターと和暦

日付のデータに対しては西暦による日付でフィルターの条件を指定できます。このため、和暦の元号ごとにフィルターしたい場合は次の条件を使用します。

条件 ユーザー設定フィルター
令和のみ 次の値より大きいか等しい:2019/05/01 00:00:00
平成のみ 次の値より大きいか等しい:1989/01/08 00:00:00
AND
次の値より小さいか等しい:2019/04/30 23:59:59
昭和のみ 次の値より大きいか等しい:1926/12/25 00:00:00
AND
次の値より小さいか等しい:1989/01/07 23:59:59
大正のみ 次の値より大きいか等しい:1912/07/30 00:00:00
AND
次の値より小さいか等しい:1926/12/25 23:59:59
明治のみ 次の値より大きいか等しい:1868/01/25 00:00:00
AND
次の値より小さいか等しい:1912/07/29 23:59:59

チェックボックス型とフィルター

チェックボックス型の値では、チェックがオンの場合に「true」、チェックがオフの場合に「false」を使用します。

ユーザー型とフィルター

Salesforceには「ユーザー型」というデータ型は存在しませんが、「ユーザー」オブジェクトの参照関係の項目を作ることでユーザー型のように使用できます。ここでは便宜的にこれを「ユーザー型」と呼びます。

「所有者」や「作成者」のようなユーザー型の項目(列)では、次の抽出条件を利用できます。

  • 現在のユーザー
  • 現在のユーザー以外

「現在のユーザー」とは、現在Salesforceにログインしているユーザーのことです。この抽出条件を使うと、ログインしているユーザーごとに、ビューのフィルターの結果を切り替えることができます。

「現在のユーザー」および「現在のユーザー以外」は、ユーザーの「氏名」によって絞り込みを行います。もし、同姓同名のユーザーがいる場合は、「$user.username」キーワードを使ってSalesforceのユーザー名によって絞り込むことができます。

「$user」キーワードはユーザー型とテキスト型の項目で利用できます。

キーワード 説明
$user.communitynickname ユーザーのニックネーム。
$user.email ユーザーのメールアドレス。
$user.employeenumber ユーザーの従業員番号。
$user.firstname ユーザーの名。
$user.id ユーザーのレコードID。
$user.lastname ユーザーの姓。
$user.name FirstNameとLastNameの連結です。
$user.username ユーザー名。メールアドレス形式ですが、実際のメールアドレスとは限りません。
$user.alias ユーザーの別名。
$user.companyname ユーザーの会社名。
$user.department ユーザーの部署。
$user.division ユーザーのディビジョン。

「現在のユーザー」および「現在のユーザー以外」は、他の条件と併用できません。この場合も、「$user」キーワードを代わりに使用してください。

「現在のユーザー」または「現在のユーザー以外」の条件を他の条件と組み合わせようとすると、次のエラーメッセージが表示され、その条件は保存できません。

その他のデータ型とフィルター

選択リストやレコードタイプ、参照関係のフィルターは文字列フィルターの場合と同様です。

ロングテキストエリア型、テキストエリア(リッチ型)の項目は「現在のページのみ」でフィルターを使用できます。後述の「列の種類とフィルターの動作」を参照してください。

ピン留めとフィルター

「ピン留め」でスプレッドシートの上部に常に表示している行(レコード)はフィルターの対象外です。フィルターに合致する結果がない場合、「ピン留め」の結果だけが残り、あたかもフィルターの結果が誤っているかのように見える場合があるのでご注意ください。

列の種類とフィルターの動作

フィルターのコマンドに「現在のページのみ」と表示される列では、フィルターはブラウザー上で実行されます。フィルターの対象は現在のページに限定され、フィルターの状態は保存されません。フィルターの状態はページを再読み込みしたときやレコードを再読み込みしたときに初期化されます。

「現在のページのみ」は、次のような列で表示されます。

  • 数式列
  • ワーク列
  • Salesforceのデータ型がロングテキスト型の項目列

ドロップダウンリストを使用できるSalesforceのデータ型

ドロップダウンリストはSalesforceのデータ型によって使用できる場合とできない場合があります。

データ型 ドロップダウンリストの使用 ドロップダウンリストの最大表示件数* ドロップダウンリストに検索ボックスの使用
チェックボックス 2
通貨 10000 -
日付 10000 -
日付/時間 10000 -
メール 2000
地理位置情報(Latitude) - - -
地理位置情報(Longitude) - - -
参照関係 2000
主従関係 2000
数値 10000 -
パーセント - - -
電話 2000
選択リスト 2000
選択リスト (複数選択) - - -
テキスト 2000
テキストエリア - - -
ロングテキストエリア - - -
リッチテキストエリア - - -
URL 2000
自動採番 - - -

*ドロップダウンリストの表示件数は「ドロップダウンリストの表示件数」で設定できます。
Salesforceの数式項目の場合は、データ型がチェックボックスのみドロップダウンリストを使用できます。

仕様・制限

  • 英数字は全角と半角を区別しません。例えば半角の「1」を指定した場合、全角の「1」も対象になります。
  • 数値、通貨、日付、日付時間データ型のフィルターのドロップダウンリストに検索ボックスはサポートされていません。
  • Salesforceの住所複合項目をRaySheetで利用している場合、選択リスト型の住所項目のドロップダウンリストに表示される件数は2000件までです。住所項目のユニークな値が2000件を超える場合、すべての項目がドロップダウンリストに表示されない場合があります。そのような場合は、フィルターを使用してレコード数を絞り込み、表示件数を減らすことを検討してください。
  • 数値、通貨型の項目に対して小数点以下を省く書式を設定した場合、ドロップダウンリストには複数の異なる値が同一の値として表示されます。たとえば、内部的には1.1、1.2、1.3のように小数点以下を含む値であっても、書式設定により小数点以下が省略されるため、ヘッダーフィルターのドロップダウンリストにはいずれも 「1」 として表示され、区別できません。しかし、内部的にはこれらは異なる値です。
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