「どこでもView」はVisualforceページ上に複数配置することができます。また、それら複数配置した「どこでもView」に親子関係を指定することもできます。たとえば、RaySheetのビューを2つ用意して、1つ目のビューに取引先を表示、選択した取引先に属する取引先担当者だけを2つ目のビューに表示することができます。

「どこでもView」では親子関係を指定するJavaScript APIを公開しています。 ここでは、Visualforceページに埋め込んだ複数の「どこでもView」に親子関係を指定する方法を説明します。
ここで説明する内容はオブジェクトモードが前提です。フォルダーモードの場合は、「フォルダーモードへ移行する」を参考にソースコードを書き換えてください。
Visualforceページに親子関係を持つRaySheetのビューを埋め込むには、「gcss:Spreadsheetコンポーネント」の属性のParentSheetを使用します。ParentSheetは現在のRaySheetの親になるRaySheetのIDを指定できるので、親子の関係を持つ関連オブジェクトを1ページに同時に表示することができます。
ここでは、次の親子関係を持つRaySheetを1つのページに同時に表示する方法を紹介します。
親シートにはシートモードのビューのみ指定できます。
<apex:page >
      <div style="height:300px;width:100%;">
        <gcss:Spreadsheet id="sheet1" object="Account"/>
        <gcss:Spreadsheet id="sheet2" object="Contact" parentSheet="sheet1" parentField="AccountId"/>
      </div>
</apex:page>
Visualforceページは、既定ではシステム管理者のプロファイルを割り当てられたユーザーだけが表示できます。システム管理者以外のプロファイルにも許可するには、Visualforceページのセキュリティを設定します。
作成したVisualforceページのタブを作成して動作を確認します。

親子関係を持つRaySheetも選択リストで表示するリストビューを切り替えることができます。RaySheetのビューを切り替える方法については「ビューを動的に変更する」を参照してください。
ここでは、「親子関係の関連オブジェクトを表示する」で作成したVisualforceページの親シートになる「取引先」のビューの表示を切り替える方法を紹介します。
「取引先」のビューを切り替える選択リストに表示するリスト項目を取得するクラスを作成します。
public class ParentSheet_ListViewDemo {
    public List<SelectOption> getItems() {
        List<gcss.Common.ViewItem> viewItemList = gcss.Common.getObjectViewList('account');  
        List<SelectOption> options = new List<SelectOption>();
        for (gcss.Common.ViewItem viewItem : viewItemList) {
            options.add(new SelectOption(viewItem.id, viewItem.name));
        }
        return options;
    }
}
フォルダーモードの場合は、getObjectViewListの代わりにgetFolderViewListを使用します。
Visualforceページ「ParentSheetDemo」にビューを切り替える選択リストを追加します。ビューを切り替える選択リストにはJavaScript APIのgcbgメンバを使用し、RaySheetのビューはgcss:Spreadsheetコンポーネントを使用します。
「Visualforce Markup」に次の内容を入力し、「保存」ボタンをクリックする。
<apex:page controller="ParentSheet_ListViewDemo">
    <div style="height:300px;width:100%;">
    <!-- 選択リストを作成する -->
    <apex:form styleClass="slds-m-vertical_medium">
        <apex:outputLabel value="リストビュー: " for="gcssViewSelector"/>
        <apex:selectList id="gcssViewSelector" onchange="showView(this.value);" size="1">
        <apex:selectOptions value="{!items}"/>
        </apex:selectList>
    </apex:form>
           
    <gcss:Spreadsheet id="sheet1" object="Account"/>
    <gcss:Spreadsheet id="sheet2" object="Contact" parentSheet="sheet1" parentField="AccountId"/>
            
    <!-- RaySheetのJavaScript APIのgcbgインターフェースをコールする -->
    <script type="text/javascript">
        var showView = function (viewId) {
            gcbg.getRaySheet().showView("Account", viewId);
        }
    </script>            
</div>
</apex:page>
「親子関係の関連オブジェクトを表示する」で作成した「ParentSheetDemo」タブでビューを開く。
左上の「リストビュー」の選択リストでRaySheetの「取引先」のビューが切り替わり、それにあわせて子階層のビューが切り替わることを確認する。
