ピボットモードで会計年度を有効にした場合の検索パネルの制限

ピボットモードで会計年度を有効にした場合の検索パネルの制限

ピボットモードでは、「会計年度での集計を許可する」のチェック状態をONに設定した場合でも、「年-週番号」、「週番号」、「年-年間通算日」、「年間通算日」の値はカレンダー年の週と日の値として扱われます。

例えば、組織の会計年度期首月を4月に設定している場合、2024年度の第1週は2025年1月1日の週、第14週は2024年4月1日の週として扱われるため、実際の日付と週番号の順番が一致しません。これは通算日も同じ動作になります。

そのため、ピボットモードの検索パネルの検索項目に「年-週番号」を設定している場合、検索条件に「2024会計年度 第1週」を設定すると検索結果は2024年4月1日の週ではなく、2025年1月1日~2025年1月7日が表示されます。

2024年4月1日の週を表示したい場合は、検索条件に「2024会計年度 第14週」を設定します。この場合、検索結果には2024年4月1日~2024年4月7日が表示されます。

会計年度の4月1日の週は、カレンダー週の第13週または第14週から始まることが多いです。そのため、
2024会計年度の範囲を取得したい場合、検索条件に2024年第14週~2024年第13週を設定します。
2025会計年度の範囲を取得したい場合、検索条件に2025年第13週~2025年第12週を設定します。

検索パネルの検索条件に「2024会計年度 第1週~2024会計年度 第14週」を設定する場合、未来から過去の日付範囲(2025年1月1日~2024年4月1日)なので、無効な検索条件と判定され、ピボットエリアと詳細エリアの検索結果には何にも表示されません。
「週番号」、「年間通算日」の選択リストに表示する選択肢の順番に従って検索範囲を設定してください。

ここでは、ピボットモードで会計年度を有効にした場合、検索パネルに「日付または日付/時間のサブフィールド」の「年-週番号」、「週番号」、「年-年間通算日」、「年間通算日」を設定して利用する場合の制限についていくつかの例で説明します。
組織の会計年度期首月は4月を例として説明します。

RaySheet内部での検索ロジック

Salesforce側はSOQLクエリで会計年度の週、会計年度の年間通算日をサポートしていません。ピボットエリアにロードされたレコードはSalesforce側から取得された集計結果であるため、この集計結果は会計年度もサポートしていません。

検索項目を「年-週番号」に設定する場合、検索パネルに値を入力し適用すると、
①RaySheetの日付変換ロジックにより、入力した「年‐週番号」をカレンダーの日付に変換
②ピボットエリアに表示している「会計年度/カレンダー週」のキーとマッチ
③そのキーに対応するカレンダーの日付範囲をピボットエリアに表示
RaySheetの日付変換ロジックは下記のイメージと表をご参照ください。

検索パネルに入力する値 カレンダーの日付に変換(RaySheet内部ロジック) ピボットエリアに表示するデータ
20XX年第1~12週 20XX+1年第1~12週のカレンダーの日付に変換
例:検索パネルに2025年第1週を入力し、カレンダーの2026年第1週(2026年1月1日~1月7日)に変換
カレンダーの20XX+1年/第1~12週の日付
20XX年第14~53週 20XX年第14~53週のカレンダーの日付に変換
例:検索パネルに2025年第15週を入力し、カレンダーの2025年第15週(2025年4月9日~4月15日)に変換
カレンダーの20XX年/第14~53週の日付
会計年度がうるう年
20XX年第13週
20XX年4月1日(20XX年/第13週のキーにマッチ)

20XX+1年3月25日~3月31日(20XX年/第13週のキーにマッチ)
キーに対応する日付の範囲を表示
20XX年/第13週(20XX年4月1日、20XX+1年3月25日~3月31日)
例1:会計年度の第13週」をご参照ください。
会計年度がうるう年+1年
20XX年第13週
20XX+1年3月26日~3月31日(20XX年/第13週のキーにマッチ)

20XX+1年4月1日(20XX+1年/第13週のキーにマッチ)
キーに対応する日付の範囲を表示
20XX年/第13週(20XX+1年3月26日~3月31日)

20XX+1年/第13週(20XX+1年4月1日、20XX+2年3月26日~3月31日)
※20XX会計年度に該当しない20XX+1年/第13週も誤って表示されます。
例1:会計年度の第13週」をご参照ください。
会計年度がうるう年+2年
20XX年第13週
20XX年3月26日~4月1日(20XX-1年/第13週のキーにマッチ)

20XX+1年3月26日~3月31日(20XX年/第13週のキーにマッチ)
キーに対応する日付の範囲を表示
20XX-1年/第13週(20XX年3月26日~3月31日)

20XX年/第13週(20XX年4月1日、20XX+1年3月26日~3月31日)
※20XX会計年度に該当しない20XX-1年/第13週も誤って表示されます。
例1:会計年度の第13週」をご参照ください。
会計年度がうるう年+3年
20XX年第13週
20XX年4月1日(20XX年/第13週のキーにマッチ)

20XX+1年3月26日~3月31日(20XX年/第13週のキーにマッチ)
キーに対応する日付の範囲を表示
20XX年/第13週(20XX年4月1日、20XX+1年3月26日~3月31日)
例1:会計年度の第13週」をご参照ください。

例1:会計年度の第13週

カレンダーの第13週は会計年度が切り替わる週であるため、検索パネルに第13週を検索する場合の具体例を説明します。

検索パネルに入力する値 カレンダーの日付に変換(RaySheet内部ロジック) ピボットエリアに表示するデータ
会計年度がうるう年
2023年第13週
2023年4月1日(2023年/第13週のキーにマッチ)

2024年3月25日~3月31日(2023年/第13週のキーにマッチ)
キーに対応する日付の範囲を表示
2023年/第13週(2023年4月1日、2024年3月25日~3月31日)
会計年度がうるう年+1年
2024年第13週
2025年3月26日~3月31日(2024年/第13週のキーにマッチ)

2025年4月1日(2025年/第13週のキーにマッチ)
キーに対応する日付の範囲を表示
2024年/第13週(2025年3月26日~3月31日)

2025年/第13週(2025年4月1日、2026年3月26日~3月31日)※2024会計年度に該当しない2025年/第13週も誤って表示されました。
会計年度がうるう年+2年
2025年第13週
2025年3月26日~4月1日(2024年/第13週のキーにマッチ)

2026年3月26日~3月31日(2025年/第13週のキーにマッチ)
キーに対応する日付の範囲を表示
2024年/第13週(2025年3月26日~3月31日)

2025年/第13週(2025年4月1日、2026年3月26日~3月31日)※2025会計年度に該当しない2024年/第13週も誤って表示されました。
会計年度がうるう年+3年
2026年第13週
2026年4月1日(2026年/第13週のキーにマッチ)

2027年3月26日~3月31日(2026年/第13週のキーにマッチ)
キーに対応する日付の範囲を表示
2026年/第13週(2026年4月1日、2027年3月26日~3月31日)

2024年第13週と2025年第13週のように第13週を検索する場合、複数のキーにマッチする可能性があります。
例:2024年第13週を検索する場合、2つのキーにマッチしました。
①2024年/第13週
②2025年/第13週
2024会計年度に該当しない2025年/第13週も誤って表示されました。

例2:ピボットエリアと詳細エリアの不一致

検索パネルに会計年度の第13週または会計年度の第91日を設定した場合、検索結果には複数の時間範囲が存在する可能性があり、ピボットエリアと詳細エリアに表示されるレコードが一致しない場合があります。ここでは、複数の時間範囲が存在する場合、ピボットエリアと詳細エリアの表示仕様について説明します。

第13週

例1
検索パネルに「2023年 第13週」という条件を設定した場合、「2023年/第13週」のキーにのみマッチし、ピボットエリアには2023年/第13週に対応するレコードの集計結果が表示されます。それらのレコードは2023会計年度の第13週に属していますが、2つの異なる週に属しています:
  キー:2023年/第13週
①2023年4月1日
②2024年3月25日~3月31日

上記のように集計セルを選択すると、①と②二つの範囲のレコードが詳細エリアに表示されますが、下記のように総計セルを選択すると、詳細エリアには①の範囲(2023年4月1日)のみ表示されます。

例2
検索パネルに「2025年 第13週」という条件を設定した場合、2つのキーにマッチし、ピボットエリアには2024年/第13週、2025年/第13週に対応するレコードの集計結果が表示されます。それらのレコードは、3つの異なる週に属しています:
キー:2024年/第13週と2025年/第13週
①2024年/第13週:2025年3月26日~3月31日
②2025年/第13週:2025年4月1日
③2025年/第13週:2026年3月26日~3月31日

集計セルを選択すると、キーに対応する日付のレコードが詳細エリアに表示されますが、総計セルを選択すると、詳細エリアには②の範囲(2025年4月1日)のみ表示されます。

第91日

うるう年には、会計年度で91日目と数えられる日が2日存在します。

通常、会計年度の最初日4月1日はカレンダー日の第91日目になります。しかし、2024年はうるう年のため、2月は29日はあります。そのため、2024年3月31日はカレンダー日の第91日目となります。
2023会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日): 91日(2023年4月1日)~365日(2023年12月31日)、1日(2024年1月1日)~91日(2024年3月31日)となっています。

つまり、2023会計年度の91日目は2つあります: 
検索パネルに「2023年 91日」という条件を設定した場合、ピボットエリアには2つレコードの集計結果が表示されます。 
①2023年4月1日
②2024年3月31日 

上記のように集計セルを選択すると、①と②二つの範囲のレコードが詳細エリアに表示されますが、下記のように総計セルを選択すると、詳細エリアには①の2023年4月1日のみ表示されます。

例3:正確な会計年度の検索

上記の制限により、正確な会計年度の範囲を取得できない場合があります。
例として、2025会計年度を取得したい場合、検索条件に2025年第13週~2025年第12週を設定し、検索結果には2025年3月26日(水)~2026年3月31日(火)の範囲が表示されます。2025会計年度に該当しない2025年3月26日~3月31日も表示されました。2025年4月1日~2026年3月31日の正確な範囲を取得することはできません。

v16とv17の変更点

v17では検索パネルの動作が改善されました。総計セルを選択すると、v16では検索条件に一致しないレコードも詳細エリアに表示されていましたが、v17では検索条件に一致したレコードのみ詳細エリアに表示するようになりました。

この動作の改善と「例2:ピボットエリアと詳細エリアの不一致」で示した制限によって、v16では表示されていたレコードがv17では表示されない場合があります。

たとえば下記のイメージの場合、ピボットエリアでは検索条件に一致したレコードは8つあります。
2023/04/01
2024/03/25
2024/03/26
2024/03/27
2024/03/28
2024/03/29
2024/03/30
2024/03/31

例2:ピボットエリアと詳細エリアの不一致」の制限で示した時間範囲は2つあります。
時間範囲1:2023/04/01
時間範囲2:2024/03/25~03/31

例2:ピボットエリアと詳細エリアの不一致」で示した制限により、v17では時間範囲1に一致する「2023/04/01」のレコードのみが表示され、v16とは異なる表示結果になります。

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